災害時の停電対策|家庭で備えておきたいものと停電時の注意点

災害で停電すると、使えなくなるのは照明だけではありません。

冷蔵庫や電子レンジ、エアコン、スマートフォンの充電などに影響し、建物の給水方式によっては水道が使えなくなる場合もあります。

停電対策では、

・明かり
・スマートフォンなどの電源
・情報を得る手段
・冷蔵庫の食品
・電気を使わない調理手段
・暑さ、寒さへの備え
・集合住宅の給水
・医療機器の電源
・復電時の電気火災

まで考えておくことが大切です。

まずは懐中電灯、ラジオ、予備電池、モバイルバッテリーなどを準備し、停電したときと電気が戻ったときの行動も確認しておきましょう。

家庭で準備しておきたい停電対策

停電に備えて、家庭では次のようなものを確認します。

□ 懐中電灯・足元灯
□ ラジオ
□ スマートフォン
□ 予備電池
□ モバイルバッテリー
□ 電気を使わずに食べられる食品
□ 電気を使わない調理手段
□ 暑さ・寒さに備える用品
□ 飲料水
□ 医療機器を使用している場合は必要な予備電源

内閣府は、夜間の停電に備えて懐中電灯や足元灯を常備すること、テレビが使えない場合でも情報を得られるようラジオなどを備えることを案内しています。

一般的な防災用品については、関連記事「防災備蓄リスト|家庭で確認したいものをカテゴリ別に整理」も確認してください。

停電したら最初に確認すること

停電が起きたら、まず災害の種類や周囲の状況を確認します。

特に地震に伴う停電では、電気火災にも注意が必要です。

消防庁は、地震による停電時には、

・電気器具のスイッチを切る
・可能な範囲でプラグを抜く
・避難するときはブレーカーを落とす
・復電前後に電気器具や周囲の安全を確認する

といった対応を案内しています。

これは、すべての短時間停電で何も確認せず主ブレーカーを落とす、という意味ではありません。

地震など災害に伴う停電では、火災や機器の損傷を考えて安全確認を行います。

停電中の冷蔵庫はできるだけ開けない

停電すると、冷蔵庫や冷凍庫も止まります。

農林水産省は、停電中は冷蔵庫の扉の開閉をできるだけ少なくするよう案内しています。

扉を開けない場合の低温保持時間の目安は、

冷蔵庫:約4時間
冷凍庫:約1〜2日

です。

ただし、この時間は安全を保証するものではありません。

気温や庫内に入っている食品の量などによって変わります。

そのため、

「停電から4時間以内なら冷蔵庫の食品は必ず安全」

とは考えないでください。

農林水産省は、傷みやすい肉・魚・惣菜などについて、上記の目安時間を超えた場合は廃棄するよう案内しています。

また、適切な保存温度を維持できなかった要冷蔵・要冷凍食品は食べずに処分し、完全に解凍した冷凍食品は再冷凍しないよう案内しています。

停電中は必要以上に扉を開けず、食品の保存状態にも注意しましょう。

スマホとモバイルバッテリーを安全に使う

災害時には、スマートフォンが情報収集や連絡手段になります。

停電中の電源確保としてモバイルバッテリーなどを準備できます。

ただし、モバイルバッテリーは備えておくだけでなく、安全に保管・使用することも重要です。

経済産業省は、リチウムイオン電池を使用した製品について、

・購入時はPSEマークを確認する
・リコール対象でないか確認する
・強い衝撃や圧力を加えない
・高温や直射日光を避ける
・異常な発熱を感じたら充電や使用を中止する
・充電中は、できるだけ状態を確認できる環境で使用する

ことなどを案内しています。

膨張や異常な発熱などが見られる場合も使用を続けないようにします。

一方、

「何%まで充電して保管する」
「何か月ごとに充電する」

といった全製品共通の数値は、この記事では設定しません。

保管や点検方法は、使用している製品の説明書に従ってください。

停電中の調理手段も考えておく

停電すると、電子レンジやIH調理器などが使えなくなる場合があります。

そのため、電気を使わずに食べられる食品と、停電時にも使える調理手段を準備しておきます。

内閣府は、冷蔵庫や電子レンジなどが使えない状況を想定し、代わりの調理手段を備えるよう案内しています。

火気を使用するときは、余震による転倒や、周囲の可燃物との接触にも注意してください。

カセットコンロなど一般的な備蓄品については、関連記事「防災備蓄リスト|家庭で確認したいものをカテゴリ別に整理」で確認できます。

なお、携帯発電機を使用する場合は、屋内では絶対に使用しないでください。自動車内やテント内での使用も危険です。

屋外で使用する場合も、排ガスが建物内へ入らないよう、窓やドアなどの開口部から離れた風通しのよい場所で使用し、製品の取扱説明書に従ってください。

消費者庁は、一酸化炭素中毒による死亡事故もあるとして注意を呼びかけています。

夏の停電は熱中症に注意する

夏に停電すると、エアコンや扇風機が使えなくなることがあります。

暑さは単なる不快感ではなく、健康上の問題として考える必要があります。

厚生労働省は、停電などでエアコンや扇風機が使えない場合の熱中症対策として、

・こまめな水分補給
・塩分の補給
・室内環境の工夫
・衣服の工夫

などを案内しています。

内閣府も、冷暖房器具が使えなくなる場合を考え、暖かさや涼しさを確保する手段を準備するよう案内しています。

冬についても、防寒用品や衣類、毛布などを確認しておきましょう。

この記事では「室温が○℃になったら避難する」といった全国共通の独自基準は設定しません。

マンションでは停電だけで断水することもある

マンションや高層住宅では、停電が水道にも影響する場合があります。

電動の給水ポンプを使っている建物では、建物が停電するとポンプが止まり、蛇口から水が出なくなることがあります。

ただし、

「マンションなら停電すると必ず断水する」

という意味ではありません。

給水方式によって状況は異なります。

横浜市水道局も、給水ポンプで加圧する高層住宅などでは、停電によって水が出なくなる場合があると案内しています。

さらに、エレベーターが停止すると、水を上階へ運ぶことも難しくなります。

集合住宅に住んでいる場合は、自宅の給水方式を管理会社などに確認しておくとよいでしょう。

家庭で必要な水の備蓄量については、関連記事「家庭の防災備蓄は何日分必要?3日・7日の水と食料の目安を解説」で確認できます。

医療機器を使う家庭は停電前に個別の計画を

在宅で電源が必要な医療機器を使用している場合は、一般家庭とは分けて停電対策を考える必要があります。

内閣府は、生命維持に関係する医療機器を使用している場合、停電に対応できるバッテリーなどを備えるよう案内しています。

ただし、必要な電源容量や稼働時間は、使用している機器や療養状況によって異なります。

この記事では、

・必要なWh数
・必要なバッテリー本数
・一般家庭向けポータブル電源の接続方法

などを独自に計算・推奨しません。

医療機器を使用している場合は、主治医、訪問看護師、医療機器事業者などと、

・停電時の予備電源
・バッテリーの稼働時間
・緊急時の連絡先
・避難方法

を平時から確認してください。

電気が戻ったときは「通電火災」に注意する

地震による停電では、電気が止まっている間だけでなく、復電するときにも火災が起こる場合があります。

消防庁は、地震時の対応として、

停電中:電気器具のスイッチを切り、可能な範囲でプラグを抜く

避難時:ブレーカーを落とす

復電・帰宅後:電気器具の破損や周囲の可燃物などを確認する

再通電後:煙や異臭などの異常がないか確認する

という流れを案内しています。

内閣府も、復電前にはガス漏れや電気製品の安全を確認し、復電後に焦げた臭いなどの異常があれば、直ちにブレーカーを遮断するよう案内しています。

原因が分からない場合は、電気の使用を見合わせます。

地震による停電のあと、何も確認せずにすべての電気器具を使い始めないことが大切です。

感震ブレーカーも確認する

地震時の電気火災対策として、感震ブレーカーがあります。

感震ブレーカーは、一定以上の揺れを感知すると自動的に電気を遮断する装置です。

消防庁や内閣府では、地震による電気火災対策として設置を推奨しています。

ただし、感震ブレーカーを設置すれば、停電対策がすべて終わるわけではありません。

電気が急に止まった場合に備えて、

・停電時の照明を確保する
・電源が必要な医療機器への対策を行う

ことも必要です。

感震ブレーカーだけでなく、停電後の生活まで含めて備えましょう。

停電と一緒に水・食料・トイレも確認する

停電対策では、電池や照明だけでなく、水・食料・トイレの備蓄も重要です。

特に集合住宅では、停電が給水停止につながる場合があります。

防災備蓄量計算機では、家族人数、3日または7日、現在の備蓄量を入力すると、水・食料・携帯トイレなどの必要量と不足量を確認できます。

一般的な防災用品については、関連記事「防災備蓄リスト|家庭で確認したいものをカテゴリ別に整理」もあわせて確認してください。

停電前・停電中・復電時のポイントを整理

停電への備えは、事前に用品を買うだけでは終わりません。

停電前は、

明かり
情報手段
スマートフォンの予備電源
停電時の調理手段
暑さ・寒さへの備え
水
必要に応じて医療機器の予備電源

を確認します。

停電したら、冷蔵庫の開閉をできるだけ少なくし、スマートフォンなどで情報を確認します。

地震に伴う停電では、電気器具のスイッチやプラグにも注意します。

電気が戻ったときも、機器や周囲に異常がないか確認してから使用を再開します。

「停電したらどうするか」まで平時に確認しておくことが、家庭の停電対策につながります。

参考情報

内閣府「家庭における地震時等の停電対策について」
https://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/denkikasaitaisaku/teidentaisaku.html

内閣府「感震ブレーカーの普及促進」
https://www.bousai.go.jp/jishin/kanshin_breaker.html

総務省消防庁「感震ブレーカー」
https://www.fdma.go.jp/relocation/html/life/yobou_contents/earthquake-sensitive_breaker/

総務省消防庁「令和5年版 消防白書 地震火災への備え」
https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r5/report7/68438.html

農林水産省「停電や断水、大雨による浸水に遭われた地域の皆様へ~食中毒に注意しましょう~」
https://www.maff.go.jp/j/fs/foodpois_flooding.html

経済産業省「リチウムイオン蓄電池搭載製品の事故に気をつけましょう!」
https://www.meti.go.jp/product_safety/consumer/lithium_ion_battery.html

消費者庁「あなたのモバイルバッテリーは大丈夫?」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20251219/

厚生労働省「災害時における健康管理」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/tiiki/saigai_00001.html

厚生労働省「在宅人工呼吸器使用者非常用電源整備事業」
https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/001387877.pdf

横浜市水道局「家庭や職場における飲料水の備えについて」
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/suido-gesui/suido/torikumi/saigai/katei.html

消費者庁「災害時にも活躍する携帯発電機やポータブル電源の事故と停電復旧後の通電火災に注意!」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_078

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