災害用トイレを備えるとき、
「何個買えばいい?」
「4人家族なら何回分必要?」
「3日分と7日分では、どれくらい違う?」
と迷うことがあります。
携帯トイレは、商品の個数や袋の枚数だけではなく、実際に何回使えるかで備蓄量を確認すると分かりやすくなります。
本記事では、政府広報が案内している1人1日5〜6回を基準に計算します。
家族人数別の目安は次のとおりです。
| 家族人数 | 3日分 | 7日分 |
|---|---|---|
| 1人 | 15〜18回分 | 35〜42回分 |
| 2人 | 30〜36回分 | 70〜84回分 |
| 3人 | 45〜54回分 | 105〜126回分 |
| 4人 | 60〜72回分 | 140〜168回分 |
※政府広報の「1人1日5〜6回」をもとに当サイトで計算しています。
※3日分の15〜18回なども、同じ5〜6回/日を3日分として当サイトで計算した値です。
まずは最低3日分を確認し、可能なら7日分まで備えると必要量を整理しやすくなります。
災害用トイレは「人数×1日5〜6回×日数」で考える
必要回数は、次の考え方で計算します。
家族人数 × 1日5〜6回 × 備蓄日数
たとえば4人家族で3日分なら、
4人 × 5〜6回 × 3日 = 60〜72回分
です。
7日分なら、
4人 × 5〜6回 × 7日 = 140〜168回分
となります。
公的資料では、数字の示し方に少し違いがあります。
内閣府や経済産業省の資料では、トイレの平均的な使用回数を1人1日5回としています。
一方、政府広報オンラインでは、家庭で備える携帯トイレについて**「5〜6回×人数×7日分」**と案内しています。
そのため、本記事と防災備蓄量計算機では、家庭向けの目安として1人1日5〜6回で計算しています。
5回を基準にすると、1人7日で35回分、4人家族なら140回分です。
6回まで見込む場合は、1人7日で42回分、4人家族なら168回分となります。
3日分と7日分、どちらを備える?
災害用トイレについては、まず最低3日分、できれば1週間程度を備える考え方があります。
たとえば1人の場合、
3日分なら15〜18回分
7日分なら35〜42回分
です。
4人家族の場合は、
3日分なら60〜72回分
7日分なら140〜168回分
となります。
自治体の案内例として、横浜市ではトイレパックについて1人1日5セットを基準に、最低3日分、できれば7日分の備蓄を案内しています。
ただし、これは横浜市の案内例です。実際に備える際は、住んでいる自治体の防災情報も確認してください。
なお、この記事で示している3日分の上限「18回」などは、政府広報の5〜6回/日を3日分として当サイトで計算した値です。
「何袋あるか」ではなく「何回使えるか」を確認する
携帯トイレを備蓄するときは、袋の枚数だけで判断しないようにします。
公的資料では、既存の便器などに便袋を取り付け、凝固剤や吸水シートを使って排泄物を処理するタイプが紹介されています。
製品によっては、便器を保護するための袋と、排泄物を処理する袋を別々に使う場合もあります。
そのため、
袋が30枚ある=30回使える
とは限りません。
購入済みの商品やこれから用意する商品について、パッケージなどを確認し、実際に何回使用できるセットなのかで数えましょう。
水・食料も一緒に必要量を確認したい場合
携帯トイレだけでなく、水や食料も家族人数に合わせて確認しておくと、家庭全体の備蓄状況を整理しやすくなります。
防災備蓄量計算機では、家族の人数と3日・7日を選び、現在の備蓄量を入力すると、水・食料・携帯トイレなどの必要量と「あと必要な量」をまとめて確認できます。
自宅の備蓄が何回分あるのか確認したうえで、不足している分を計算してみてください。
断水していなくても、水を流さないほうがよい場合がある
災害時は、
「水が出るからトイレを流しても大丈夫」
とは限りません。
大きな地震などでは、建物内の排水管や下水管が損傷している可能性があります。
特に集合住宅では、上の階から流した汚水が下の階であふれる場合があります。
自治体による案内の一例として、横浜市神奈川区では大地震時に排水設備の安全確認が終わるまで浴槽やトイレの水を流さないよう案内しています。
また、内閣府のガイドラインでも、水を確保できる場合であっても、発災直後は下水処理場などの被害状況が確認されるまで水洗トイレを使用しない考え方が示されています。
実際の災害時は、住んでいる地域の自治体や、集合住宅の場合は管理会社・管理組合などの案内を確認してください。
携帯トイレと簡易トイレはどう違う?
経済産業省の2026年資料では、検討上の整理として、
携帯トイレ
既設のトイレなどに排泄物袋を設置するタイプ
簡易トイレ
簡易な便座と排泄物袋などで構成されるタイプ
といった違いが示されています。
ただし、「携帯トイレ」「簡易トイレ」には、すべての製品に共通する明確な規格上の定義があるわけではありません。
商品によって名称が異なる場合があるため、購入時は製品の説明や使用方法も確認してください。
使用後の袋は、自治体の案内に従って処分する
使用済みの便袋は、回収されるまで家庭で保管する場合があります。
そのため、
・袋の口をしっかり閉じる
・漏れや臭いへの対策をする
・衛生的に保管する
ことが重要です。
使用済み携帯トイレの処分方法は、自治体によって案内が異なります。
自治体の案内例として、横浜市では使用済みのトイレパックを災害時に燃やすごみとして出す方法を案内しています。
ただし、これは横浜市の例です。
実際に処分するときは、住んでいる自治体が災害時に出している案内を確認してください。
また、凝固剤をいつ入れるかなど、具体的な使用方法は製品によって異なる場合があります。
実際に使用するときは、製品の取扱説明書も確認しましょう。
高齢者や乳幼児がいる家庭は、一般的な計算だけで終わらせない
この記事の人数別表は、一般的な家庭備蓄を考えるための目安です。
高齢者、乳幼児、頻尿がある人、介助・介護が必要な人、紙おむつを使用する人などがいる場合は、実際の家庭の状況に合わせて追加の備えを検討する必要があります。
一方で、
「乳幼児は0.5人として計算する」
「高齢者は一律1日7回にする」
といった全国共通の計算式は確認されていません。
一般的な5〜6回の計算だけで完結させず、普段の使用状況や紙おむつ、介助の必要性などを個別に確認しましょう。
まず自宅の「何回分あるか」を数えてみよう
災害用トイレは、商品数だけを見ても十分な備蓄があるか判断しにくいものです。
まず、自宅にある携帯トイレのパッケージを確認して、
合計で何回使えるのか
を数えてみましょう。
そのうえで、
人数 × 1日5〜6回 × 3日または7日
と比べれば、あと何回分必要なのかが分かります。
まず3日分を確認し、可能なら7日分まで備えられているかチェックしてみてください。
参考情報
政府広報オンライン「防災特集 ACTION01 災害に事前に備える」
https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/bousai/preparation.html
内閣府「避難所の生活環境対策」
https://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/
内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン(令和6年12月改定)」
https://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/pdf/2412hinanjo_toilet_guideline.pdf
経済産業省「災害時に活用する携帯・簡易トイレの適切な普及に向けた検討会」資料
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/disaster_toilet_popularization/pdf/001_04_00.pdf
横浜市神奈川区「在宅避難について」
https://www.city.yokohama.lg.jp/kanagawa/bosai_bohan/saigai/zaitakuhinann.html
横浜市「トイレパックについて」
https://www.city.yokohama.lg.jp/bousai-kyukyu-bohan/bousai-saigai/moshimo/wagaya/jishin/bichikuhin/toirepakkunituite.html
